次期TOPIX 入替カレンダー
2026年10月から、TOPIXの大がかりな入替が始まります。初回の定期入替で継続採用されなかった銘柄は、四半期ごと8段階でウエイトを下げられます。同じ仕組みが2022〜2025年にも一度あり、そのときの10回すべてを実際に検証しました——実施日の直前に売られ、通過したら終わる、という形がはっきり出ています。
移行の全日程(四半期ごと8回+初回入替)
移行係数は「旧ウエイトをどれだけ残すか」です。100%から始まり、8回かけて0%になります。2027年10月に再評価があり、継続基準(年間売買代金回転率0.14以上・浮動株時価総額の累積比率が上位97%以内)を満たした銘柄はそこで低減が止まります。
前回10回で、実際に何が起きたか
2022年10月から2025年1月まで、同じ「段階的ウエイト低減」が10回行われました。運営者はこの10回を、対TOPIXの超過リターン(CAR)で検証しています。検定は「回を1観測」としました——各回は426社が同じ日を共有するため、銘柄単位で数えるとt値が実態より大きく出てしまうからです(実際、初回の集計では t=12.89 という偽の値が出ました)。
| 区間 | 平均CAR | n | p値 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 実施前20営業日 −20〜−1 | −1.80% | 10回 | 0.0067 | 10回中10回がマイナス |
| 実施前3営業日 −3〜−1 | −1.57% | 10回 | 0.0027 | ここが本命。10回中10回マイナス |
| 実施当日 0 | +0.39% | 10回 | 0.2343 | 当日は無風〜やや反発 |
| 実施後20営業日 0〜+20 | +0.84% | 10回 | 0.5504 | 通過したら終わり |
「ただの四半期末の動き」ではないことの確認
実施日はすべて四半期末の最終売買日です。つまり季節性で説明できてしまう可能性がありました。そこで3つの対照を取りました。
| 確認したこと | 結果 | p値 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 低減が始まる前の四半期末23日 | +0.34% | 0.1501 | 季節性だけでは下がらない |
| 低減10回 vs 四半期末23日の差 | −1.91% | 0.0006 | 季節性では説明できない |
| 境界DiD(低減継続439社 vs 対照43社) | −2.34% | 0.0179 | 同じ基準の直上/直下で比較 |
| 売買代金の推移(回ごと) | +0.01 | 0.7697 | 流動性が細ったせいではない |
| 回を追うごとの傾き | −0.31%/回 | 0.0076 | 市場が先回りを学習した(R²=0.61) |
回を追うごとに下げが深くなっていた——これは今回の8回を見るうえで重要です。前回は市場が仕組みを理解するにつれ、先回りの売りが厚くなりました。
買われる側(TOPIX新規採用)も、形は同じでした
売られる側だけでなく、指数に採用される側も検証しています(旧・東証1部への指定替え204銘柄)。
| 区間 | 平均CAR | 勝率 | p値 |
|---|---|---|---|
| 指定日までの20営業日 | +10.40% | 73.5% | <0.0001 |
| 指定日の当日 | −0.49% | 39.2% | 0.0329 |
| 組入れ日の直後5営業日 | −2.50% | 36.3% | 0.0115 |
指数買いが入る日が天井でした。売り側と買い側で、まったく同じ形です——イベントを通過する前に動き、通過したら終わる。
このページは「いつ起きるか」を知っておくためのものです。銘柄名がJPXから公表されたら、銘柄カルテとスクリーナーで個別に確認できるようにします。運営者自身は、需給イベントの直前は株数を落とすという扱いにしています——決算と同じで、読めない値動きが混ざる期間だからです。
日経225の入れ替えについて
日経平均株価の定期見直し(年2回・10月と4月に実施、発表はそれぞれ9月上旬・3月上旬)についても同じ手法で検証しましたが、サンプルが14〜45件と少なく、統計的に有意な差は出ませんでした(発表前20日 +2.07%・p=0.16、実施日当日 +0.18%・p=0.20 など)。効果がないと確認できたわけではなく、この件数では判定できないという意味です。断定を避けてそのまま載せています。