データ ▾
INDEX TRANSITION ・ 2026年10月 〜 2028年10月

次期TOPIX 入替カレンダー

2026年10月から、TOPIXの大がかりな入替が始まります。初回の定期入替で継続採用されなかった銘柄は、四半期ごと8段階でウエイトを下げられます。同じ仕組みが2022〜2025年にも一度あり、そのときの10回すべてを実際に検証しました——実施日の直前に売られ、通過したら終わる、という形がはっきり出ています。

日程はJPX公表資料そのままです。「TOPIX等の見直しについて」(JPX総研・2026年5月)に記載された移行係数の表を、過去10回と同じ各月の最終営業日に当てはめています(前回10回の実施日はすべて月末最終営業日でした)。銘柄名は公表され次第このページで扱います。

移行の全日程(四半期ごと8回+初回入替)

移行係数は「旧ウエイトをどれだけ残すか」です。100%から始まり、8回かけて0%になります。2027年10月に再評価があり、継続基準(年間売買代金回転率0.14以上・浮動株時価総額の累積比率が上位97%以内)を満たした銘柄はそこで低減が止まります

前回10回で、実際に何が起きたか

2022年10月から2025年1月まで、同じ「段階的ウエイト低減」が10回行われました。運営者はこの10回を、対TOPIXの超過リターン(CAR)で検証しています。検定は「回を1観測」としました——各回は426社が同じ日を共有するため、銘柄単位で数えるとt値が実態より大きく出てしまうからです(実際、初回の集計では t=12.89 という偽の値が出ました)。

区間平均CARnp値備考
実施前20営業日 −20〜−1−1.80%10回0.006710回中10回がマイナス
実施前3営業日 −3〜−1−1.57%10回0.0027ここが本命。10回中10回マイナス
実施当日 0+0.39%10回0.2343当日は無風〜やや反発
実施後20営業日 0〜+20+0.84%10回0.5504通過したら終わり

「ただの四半期末の動き」ではないことの確認

実施日はすべて四半期末の最終売買日です。つまり季節性で説明できてしまう可能性がありました。そこで3つの対照を取りました。

確認したこと結果p値意味
低減が始まる前の四半期末23日+0.34%0.1501季節性だけでは下がらない
低減10回 vs 四半期末23日の差−1.91%0.0006季節性では説明できない
境界DiD(低減継続439社 vs 対照43社)−2.34%0.0179同じ基準の直上/直下で比較
売買代金の推移(回ごと)+0.010.7697流動性が細ったせいではない
回を追うごとの傾き−0.31%/回0.0076市場が先回りを学習した(R²=0.61)

回を追うごとに下げが深くなっていた——これは今回の8回を見るうえで重要です。前回は市場が仕組みを理解するにつれ、先回りの売りが厚くなりました。

買われる側(TOPIX新規採用)も、形は同じでした

売られる側だけでなく、指数に採用される側も検証しています(旧・東証1部への指定替え204銘柄)。

区間平均CAR勝率p値
指定日までの20営業日+10.40%73.5%<0.0001
指定日の当日−0.49%39.2%0.0329
組入れ日の直後5営業日−2.50%36.3%0.0115

指数買いが入る日が天井でした。売り側と買い側で、まったく同じ形です——イベントを通過する前に動き、通過したら終わる

⚠️ この +10.4% は「20日前に買えば取れる」という意味ではありません。 ここには逆因果が混じっています——「昇格するから上がった」のではなく、 「上がったから昇格の基準(時価総額)を満たした」という順序です。 つまり20営業日前の時点では、どの銘柄が指定されるか分かりません。 分かった時点(指定日)には、この+10.4%はすでに終わっています。 実際、指定が公表されてから組入れ日まで持っても +2.23%(p=0.20)で有意ではなく、 その後は −2.5% です。しかもこの制度(東証1部への指定替え)は 2022年4月の市場区分再編で廃止済みで、同じ形はもう起きません。 機械的な指数買いの証拠としてより純粋なのは、組入れ日直後の −2.5% のほうです。
この検証の限界も書いておきます。 ①493社のうち67社は期間中に上場廃止等で価格系列がなく、集計から外れています(生存バイアス)。 ②対照に使った43社は「株価が上がって基準を上回った銘柄」なので、結果で選ばれた勝ち組という性質があります。より純粋な対照は「同じ銘柄の低減前の四半期末」(+0.34%)です。 ③次期TOPIXの移行が前回と同じように動く保証はありません。制度も対象銘柄も異なり、市場はすでに前回を学習しています。
📡 株レーダーでの使い方

このページは「いつ起きるか」を知っておくためのものです。銘柄名がJPXから公表されたら、銘柄カルテスクリーナーで個別に確認できるようにします。運営者自身は、需給イベントの直前は株数を落とすという扱いにしています——決算と同じで、読めない値動きが混ざる期間だからです。

日経225の入れ替えについて

日経平均株価の定期見直し(年2回・10月と4月に実施、発表はそれぞれ9月上旬・3月上旬)についても同じ手法で検証しましたが、サンプルが14〜45件と少なく、統計的に有意な差は出ませんでした(発表前20日 +2.07%・p=0.16、実施日当日 +0.18%・p=0.20 など)。効果がないと確認できたわけではなく、この件数では判定できないという意味です。断定を避けてそのまま載せています。

⚠️ これは投資助言ではありません。日程はJPXの公表資料、数値は公開株価から機械的に算出した過去の実測です。特定銘柄の売買を推奨するものではなく、将来の値動きを予測するものでもありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

あわせて使う

出典: JPX総研「TOPIX等の見直しについて」(2026年5月)/ 検証: 運営者による対TOPIX超過リターンの実測(2022年10月〜2025年1月・10回)株レーダー ・ kaburadar.jp